死役所 byあずみきし
2020年1月31日。
ここ2,3年でマンガを読む量が急増してます。
電子書籍の手軽さも勿論ですが、
Twitterを見るようになって興味深い作品に出会いやすくなったのが一番の影響です。
冒険譚よりもミステリーチックな作品や青春ストーリーが好きなので、
Kindleの本棚も意外と落ち着いたラインナップになっています。今回はこちら。
『死役所』
著者:あずみきし 出版:新潮社
https://www.amazon.co.jp/dp/B00O0FIDTG/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1
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現世での生涯を終えた人々が自らの「死」について届け出る、シ役所。
自分の最期を受け入れ、一生を振り返って満足する者。
他人の理不尽に巻き込まれての最期を受け入れられない者。
シにたいという願望が叶ってから、もっと生きたかったと嘆く者。
彼らは天国に行くのか、地獄に行くのか、成仏できずさまよい続けるのだろうか。――――――――――
死後の手続きをする場所の職員が元・シ刑囚という舞台設定から凝っていますが、
主人公のシ村(シ役所総合案内係)が冤罪でシ刑判決を受けているというのも、
メタ的にありがちな運命性を越して活かされています。
オムニバス形式でストーリーが進むなかに伏線を配置しているので、
読みやすく構成され飽きにくい作品です。
シ役所の日常に見られる彼の人当たりの良さと、時おり表面化する鬼のような一面、
それらのカギとなるシ村の冤罪事件が主軸の物語として自立しながらも、
読者の心を上手く掻き立てるエピソードが散りばめられています。
「バカはシんでも治らない」と実際に(?)感じてストレスを与えてくる回、
大切な人を守るための行動がどうにも報われず涙腺を刺激される回、
単話で見ていくと極端なようにも感じますが、
1冊を終えた読後感は満足いくものとなります。
第15巻が2020年2月7日に発売予定です。
また、Amazon Prime会員の方はKindle版だと1,2巻を無料で読むことができます。
なお、2019年10月から同12月にかけて松岡昌宏主演で
ドラマ化(テレビ東京系)もされてましたので、ご縁のある方はそちらもぜひ。